How to Write 小説
そのいち。 物語に必要な<要素>とは……
■■■物語には何が必要か■■■
物語に正解も不正解もない。
よって「これが必要」とは断言できないが、
「これがあれば、おもしろくなりやすい」という、
物語、特に小説の基本的な考えを解説していきたいと思う。
●舞台と登場人物とストーリーが必要
舞台があって、人がいて、そこからストーリーが生まれる。
というのが建前なわけだが、おもしろい話を作るには、これらは同時に考えるべきだ。
というのも、これらは綿密なつながりがあり、登場人物を生かせる舞台やストーリーを
生かせる登場人物というように、どこかを固定せずによい組み合わせを柔軟に見つけだしたい。
●読者の知識を利用することが必要
小説というのは、文字を読むことにより、読者にその映像と思考を自らの頭に展開することだと思う。
よって、読者がその文字を映像や思考に変換できないのであれば意味がない。
具体例を挙げれば、専門用語を説明もなしに使ったり、普通の人には読めない
難しい漢字を多用したりすることである。「読めないやつが悪い」
「わからないやつが悪い」というのは作者の怠慢以外の何者でもない。
ただし、すべての読者に読んでもらいたいからと言って、出てくる単語すべてに解説を
挿んでなんかいられない。読者の知識と作品の質との妥協点を見つけることが必要。
●心の描写が必要
どんなジャンルの小説でも結局おもしろいのは、登場人物の思考・思想の部分だと思う。
恋愛ものであれば、愛おしいと思う気持ち、ホラーであれば恐怖。
登場人物と書いたが、別に人でなくても猫でも異星人でも思考できれば問題ない。
心の描写をする方法は直接的に書く方法と間接的に書く方法とがあるが、それは別の項で説明する。
●五感の感じ方の描写が必要
登場人物がどのように感じているか、読者にも感じてもらえれば、より臨場感が増す。
人間が情報を受け取る感覚器官は、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の5つである。
そのため、登場人物からどのように見えて、なにが聞こえ、どのような味がして、
どのような匂いがして、どのような肌触りかを書くことにより、読者は臨場感を感じる。
匂いや感触の描写は、特に入れるのを忘れやすいので気を付けたい。
●ドラマが必要
例えば、とある大学生がゲームしてコンビニ行って、なんて日常をひたすら書かれてもおもしろくない。
それなら、コンビニ行ったらコンビニ強盗に鉢合わせたり、女の子と知り合った方がおもしろい。
日常的なシーンも当然必要なのだが、それだけで小説を構成しておもしろくするとなると 大変だ。
■■■物語に波をつくれ■■■
波のない物語は淡々として印象に残る場面が少ないものだ。
ときに盛り上げ、ときにしんみりした場面を書き、読者を物語に引き込みたい。
●どこで盛り上げるか
盛り上げるのに適したタイミングというのがある。
個人的にはこの図のタイミングで盛り上げるのが理想だと思ってる。
便宜的にそれぞれの山を起承転結と名付けて、サスペンスを例にそれぞれの山の攻略法を解説する。
●起の山
読者は基本的に山場を楽しみに小説を読む。そのため、出だしで平地が延々と続き、
山の姿がさっぱり見えないようでは途中であきられてしまう。
この山にはふたつの目的がある。
ひとつめは、冒頭に緊迫した場面を持ってくることで、読者を一気に物語に引き込むこと。
ふたつめは、その先にさらに大きな山があることを感じさせて、期待を持たせること。
たとえば、冒頭で殺害計画を練っている男を書くとする。
読者はその男が次々と口にする計画から目が離せず、その男がいつ計画を実行に移すのか、
誰を標的にするのかといった期待を胸に読み進めることができる。
●承の山
物語の中には落ち着いた場面というのも必要である。そ
こで各登場人物の人物像を掘り下げたり、物語を読み進めるのに必要な知識を
植え付けたりするわけだが、あまり悠長にやっていると読者は退屈し始める。
そこで、小さな山をちょこちょこと入れてみる。
この山の目的は読者に刺激を与えることと、転の山が近づいていることを
知らせて期待を高めることである。さきほどの冒頭の続きであれば、主人公が
ヒロインと出会ったり、そのヒロインが飼っている犬が殺されたり。
この例(ヒロインと出会う)のように承の山で、
転の山の準備作業も一緒にやってしまえれば効率もいい。
●転の山
この山の目的はそのものズバリ、楽しませることである。
この山をうまく盛り上げるには、思いつきでは難しい。
それまでの段階でいくつも上質のパーツを作り、それを綺麗に組み合わせなくてはならない。
気を付けることはふたつ。
ひとつめは、パーツの組み合わせははっきりと決めておくこと。
書いてみたら、パーツがうまく組合わさらないということがないように。
ふたつめは、パーツの組み合わせ方を読者に悟られないこと。
”驚き”も楽しませるための重要な要素なのだから。
さきほどの例だと、ヒロインが連れ去られ、駆けつけると友人の姿が。
互いに相手が犯人だと思い、対決。その間にヒロインは脱出し、主人公と
友人の対決が仕組まれたことを知らせに走るが、間に合わずに二人とも死んでいる。
もちろん、それまでに、何かをこっそりと調べている友人だとか、
真犯人の影だとか伏線を張っておかなくてはならない。
●結の山
案外、忘れられるのがこの山である。
転の山で十分に盛り上げることができていれば、読者は読み終えるのが
少し惜しくなっており、終わったときに物足りなさを感じるかもしれない。
また、きりのいいところで終わると読後感が残りにくいものだ。
この山の目的は読後感を残すことである。
ここでテーマを出したり、先に続く難題を感じさせたり、今までの認識が
一変するようなことを書いてみたりして、盛り上げたところで締めたい。
さきほどの例だと、実は二人は生きており、真犯人のすぐ後ろまで迫っていたり、
ヒロインが真犯人の目の前に現れて銃口を向けるが法と復讐心の間で板挟みなる、とか
※
ちなみに これは僕が考えたモノではありません。
気が付けばHDDに入っていたという謎(笑)
いつ、どこで僕はコレを保存したのだろうか…
※ 12/14
どうやら「モノ書き一里塚」さんからの抜粋だったようです。
ご指摘してくださった方、コメントありがとうございました。
物語に正解も不正解もない。
よって「これが必要」とは断言できないが、
「これがあれば、おもしろくなりやすい」という、
物語、特に小説の基本的な考えを解説していきたいと思う。
●舞台と登場人物とストーリーが必要
舞台があって、人がいて、そこからストーリーが生まれる。
というのが建前なわけだが、おもしろい話を作るには、これらは同時に考えるべきだ。
というのも、これらは綿密なつながりがあり、登場人物を生かせる舞台やストーリーを
生かせる登場人物というように、どこかを固定せずによい組み合わせを柔軟に見つけだしたい。
●読者の知識を利用することが必要
小説というのは、文字を読むことにより、読者にその映像と思考を自らの頭に展開することだと思う。
よって、読者がその文字を映像や思考に変換できないのであれば意味がない。
具体例を挙げれば、専門用語を説明もなしに使ったり、普通の人には読めない
難しい漢字を多用したりすることである。「読めないやつが悪い」
「わからないやつが悪い」というのは作者の怠慢以外の何者でもない。
ただし、すべての読者に読んでもらいたいからと言って、出てくる単語すべてに解説を
挿んでなんかいられない。読者の知識と作品の質との妥協点を見つけることが必要。
●心の描写が必要
どんなジャンルの小説でも結局おもしろいのは、登場人物の思考・思想の部分だと思う。
恋愛ものであれば、愛おしいと思う気持ち、ホラーであれば恐怖。
登場人物と書いたが、別に人でなくても猫でも異星人でも思考できれば問題ない。
心の描写をする方法は直接的に書く方法と間接的に書く方法とがあるが、それは別の項で説明する。
●五感の感じ方の描写が必要
登場人物がどのように感じているか、読者にも感じてもらえれば、より臨場感が増す。
人間が情報を受け取る感覚器官は、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の5つである。
そのため、登場人物からどのように見えて、なにが聞こえ、どのような味がして、
どのような匂いがして、どのような肌触りかを書くことにより、読者は臨場感を感じる。
匂いや感触の描写は、特に入れるのを忘れやすいので気を付けたい。
●ドラマが必要
例えば、とある大学生がゲームしてコンビニ行って、なんて日常をひたすら書かれてもおもしろくない。
それなら、コンビニ行ったらコンビニ強盗に鉢合わせたり、女の子と知り合った方がおもしろい。
日常的なシーンも当然必要なのだが、それだけで小説を構成しておもしろくするとなると 大変だ。
■■■物語に波をつくれ■■■
波のない物語は淡々として印象に残る場面が少ないものだ。
ときに盛り上げ、ときにしんみりした場面を書き、読者を物語に引き込みたい。
●どこで盛り上げるか
盛り上げるのに適したタイミングというのがある。
個人的にはこの図のタイミングで盛り上げるのが理想だと思ってる。
便宜的にそれぞれの山を起承転結と名付けて、サスペンスを例にそれぞれの山の攻略法を解説する。
●起の山
読者は基本的に山場を楽しみに小説を読む。そのため、出だしで平地が延々と続き、
山の姿がさっぱり見えないようでは途中であきられてしまう。
この山にはふたつの目的がある。
ひとつめは、冒頭に緊迫した場面を持ってくることで、読者を一気に物語に引き込むこと。
ふたつめは、その先にさらに大きな山があることを感じさせて、期待を持たせること。
たとえば、冒頭で殺害計画を練っている男を書くとする。
読者はその男が次々と口にする計画から目が離せず、その男がいつ計画を実行に移すのか、
誰を標的にするのかといった期待を胸に読み進めることができる。
●承の山
物語の中には落ち着いた場面というのも必要である。そ
こで各登場人物の人物像を掘り下げたり、物語を読み進めるのに必要な知識を
植え付けたりするわけだが、あまり悠長にやっていると読者は退屈し始める。
そこで、小さな山をちょこちょこと入れてみる。
この山の目的は読者に刺激を与えることと、転の山が近づいていることを
知らせて期待を高めることである。さきほどの冒頭の続きであれば、主人公が
ヒロインと出会ったり、そのヒロインが飼っている犬が殺されたり。
この例(ヒロインと出会う)のように承の山で、
転の山の準備作業も一緒にやってしまえれば効率もいい。
●転の山
この山の目的はそのものズバリ、楽しませることである。
この山をうまく盛り上げるには、思いつきでは難しい。
それまでの段階でいくつも上質のパーツを作り、それを綺麗に組み合わせなくてはならない。
気を付けることはふたつ。
ひとつめは、パーツの組み合わせははっきりと決めておくこと。
書いてみたら、パーツがうまく組合わさらないということがないように。
ふたつめは、パーツの組み合わせ方を読者に悟られないこと。
”驚き”も楽しませるための重要な要素なのだから。
さきほどの例だと、ヒロインが連れ去られ、駆けつけると友人の姿が。
互いに相手が犯人だと思い、対決。その間にヒロインは脱出し、主人公と
友人の対決が仕組まれたことを知らせに走るが、間に合わずに二人とも死んでいる。
もちろん、それまでに、何かをこっそりと調べている友人だとか、
真犯人の影だとか伏線を張っておかなくてはならない。
●結の山
案外、忘れられるのがこの山である。
転の山で十分に盛り上げることができていれば、読者は読み終えるのが
少し惜しくなっており、終わったときに物足りなさを感じるかもしれない。
また、きりのいいところで終わると読後感が残りにくいものだ。
この山の目的は読後感を残すことである。
ここでテーマを出したり、先に続く難題を感じさせたり、今までの認識が
一変するようなことを書いてみたりして、盛り上げたところで締めたい。
さきほどの例だと、実は二人は生きており、真犯人のすぐ後ろまで迫っていたり、
ヒロインが真犯人の目の前に現れて銃口を向けるが法と復讐心の間で板挟みなる、とか
※
ちなみに これは僕が考えたモノではありません。
気が付けばHDDに入っていたという謎(笑)
いつ、どこで僕はコレを保存したのだろうか…
※ 12/14
どうやら「モノ書き一里塚」さんからの抜粋だったようです。
ご指摘してくださった方、コメントありがとうございました。
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